洋上からの報告(1):洋上のならし保育
お父さん、お母さんが「船内生活オリエンテーション」に参加している間、子どもたちは「ピースボート子どもの家」にやってきて、初めて自分たちと先生だけで2時間半を過ごしました。
いわゆるならし保育のスタートです。
お母さんと離れるときに泣いてしまった子は3歳のゆいちゃん、ひとりだけ。
ゆいちゃんも、最初はお母さんにピッタリくっついて「やだー」でしたが、お母さんの姿が見えなくなったらすぐに、環境に自然にとけ込んで「これなに?」「これは?」と楽しんでいました。
今回最年少のカオルくんは、1歳8ヶ月。あんちゃん(1歳9ヶ月)、こあくん(1歳10ヶ月)とあわせて3人の1歳児トリオが慣れるまではどんな感じか、先生たちも様子をうかがうつもりでいました。
きれいに並んでいるものをひとつずつ出したり、年長の子たちが積み上げたものをガシャーンと壊したりするのが大好きなこの時期の子どもたちが、初めて「異年齢保育」を行うモンテッソーリの環境に入ってきたら、最初しばらくは大変なことが多いからです。
ところが今回は、先生たちが丁寧にこの時期の子どもたちが「夢中になる環境」を用意していたために、みんなまずは日常生活の練習や自己表現の活動に夢中。
ピンクタワーに関心を持ったカオルくんは、先生が丁寧に扱いかたを見せると、最初から最後まで、手の動きを真剣に見つめていました。
そのあと、自分もピンクタワーをそっと持ち上げて、取り組んでみている様子の愛らしいこと!!
丁寧にゆっくりひとつ積んでは、「エヘヘ」というように先生の顔を見ます。
子どもたちに大切なことを伝えたいときは、「壊すからさわっちゃダメ!!」「グチャグチャにしないの!!」と言葉で伝えるよりも、大人が丁寧に、大切にしている様子を動きで見せるのがいちばんです。
乗船しているお父さん、お母さんたちは、モンテッソーリのトレーニングを受けた先生たちの美しい立ち居振る舞いから、自然と学んでいきます。
「やさしくしなさい」「仲良くしなさい」も同じですね。
誕生から6歳までの子どもたちは、環境からの吸収力のかたまりです。
いいものも悪いものも、すべてを環境から吸収していきます。
優しく、仲良くできる子どもであってほしいと願うのであれば、周りの大人が優しさと協調性にあふれていることが、きっとなによりの教育なのでしょう。
子どもたちは初日から落ち着いて、それぞれの仕事に取り組んでいたようでした。
2時間の活動をそれぞれに過ごし、最後の15分間は高子さんが「ピースボート絵本」を読み始めると、1歳児3人も含めてみんな真剣に聞いていました。
早めに迎えにきたお母さんは、登園のときは興奮してキャーキャー大騒ぎだった子どもたちが、真剣にピースボートのお話を聞く様子に感動してしまいました。
ならし保育をあと2日続けたら、いよいよ9時から15時半まで、子どもたちは子どもたちの時間を過ごします。
今回のクルーズでは、英語を教えてくれる先生も、ニュージーランドのモンテッソーリスクールで10年間校長先生をしていたようなベテランの方。
シンガポール以降にはじまる英語の時間も楽しみです。
子どもたちの楽しい学びの様子、今後もレポートしていきます!!