楽しくルールを守るには
ピースボートの船内はさまざまな世代が共に生活する1000人の村のような空間です。この村社会で全員が安心・安全、快適に生活するには、決められたルールを守る必要があります。
「船内は歩いて移動します」これは、大人も子どもも守らなければならないルールの1つです。
ランチの時間になると、子どもたちは、7階後方キッズルームから、9階中央レストランまで移動します。晴れの日は外の階段、雨の日は中の階段を利用します。日頃どんなことを気にかけているか、ご紹介します。
船内を通る場合、部屋の間に廊下があるのでがあるため、静かに歩きます。「ねているひとが、いるかもしれないね。」
と、言いながら、お喋りも最小限。
揺れることがある船での生活なので、階段は必ず手すりを使い、1人ずつ右側通行で歩きます。
「○○くん、じゅんばんだよ!」
「△△ちゃん、てすりをちゃんともってね。」
と、子どもたち同士で声を掛け合っています。
船内のレストランは、たくさんの人が行き交います。周りを見ていないと、ぶつかってしまいそうです。
そこで、麻弥先生が「どんな人たちが、ここを通るか見てみようね。」と、子どもたちに声をかけ、座って見てみることになりました。「あんなに、おさらをもってるよ。おもくないのかなあ。」
「あ!また、あっちからきた!」
「こんどは、こっちだ!」
食事を運ぶ人、食べ終わって帰る人、たくさんのお盆や食器を何枚も重ねて運ぶクルー、何人もが廊下を行き来しています。子どもたちは、じーっと観察し何かに気がついた様子です。この日から、子どもたちの歩き方や、注意の向け方が少し変化したように感じました。
周りをよく見て、観察することが、社会のルールが身につくまでの鍵となります。大人は自身がお手本となって、正しい姿勢を子どもたちに見せることが大切になります。
大人が主体となって「教え込む」のではなく、子ども自身が気づけるような、観察し、考えられる環境を整えるのが、大人ができる配慮の1つなのだと、勉強になりました。
◇おまけ◇
座って廊下の行き交う人を見た後、両手を広げて立つ2歳のサスケくん。何をしているかと思ったら、「交通整理」をしているよう!
「はい、とおっていいですよ~」
右、左、右を確認!
「あっちから、だれかくるかな?」
予想を超える可愛らしいサスケくんの姿に、保育士たちは、ほっこりとした気持ちになりました。
(平松亜衣)