海の上のならし保育
いよいよ、海の上のモンテッソーリ・スクール、はじまりはじまり、です。
最初の日は親子で船酔いにやられて登園できなかった子も今では元気に登園し、 すでに「ただいま~!」という声とともにやってくる子もいるほど。 子どもの順応力ってすごいですね。
3日目には、子どもたちの間に兄弟のような連帯感も生まれはじめ、 まだ2歳にならない和帆くんも、久子先生を「せんせ」と呼び、 お友達の名前も「れんちゃん」「しんちゃん」と少しずつ覚えているようです。
自分のことは自分でやる毎日はとても楽しく刺激的なようで、 みんな小さなお皿とコップをこぼさないようにおなかにくっつけて、自分で運びます。 5歳のゆきとくんは、小さなテーブル拭きを洗ってしぼって、みんなのテーブルを整えてくれます。
※船からの通信状況がイマイチで、写真が数枚しか届きません。
子どもたちの笑顔をまだ写真をお届けできないのが残念!届き次第、あとから貼り付けます。
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第69回地球一周の船旅 「クルーズレポート」 もあわせてチェックしてくださいね。
出港からシンガポールまでは、「ピースボート子どもの家」アドバイザーの深津高子さんも乗船中。 JVCのボランティアとしてタイ・カンボジア国境で難民を助ける活動をした20代から 「平和は子どもからはじまる」という哲学に至り、保育の道を志すまでの半生。
涙なしには聞けない深い物語、ご本人から聞くのがイチバンですが、 読みたい方は、こちら でどうぞ。
さて、子どもたちも頑張っているけれど、ピースボート洋上の「子どもの家」が嬉しいのは、 それを陰で支えてくれる大人のあたたかい目(と手!)が数百人分あること。
子どもの家を一歩出れば、そこは800人の大家族がともに暮らす村のような雰囲気で、 子どもたちはいつだって人気者です。
「なにかお手伝いできることはないでしょうか」という声が絶えず、 ボタンを自分でつけてみたくてしょうがない時期の子どもたちが練習をできるよう作成した スナップの着衣枠は、刺繍が得意な参加者の方が、キャビンに持って帰ってまで仕上げてくれるほど。
出港時には整理しきれなかった木製の世界地図パズルも、 子どもの家サポーターの皆さんが整理してくれました。 日本での子育ても、こんな風に村ぐるみでできたら最高なのにねえ。
大人でも難しいこのパズル、子どもたちは平気な顔をして黙々と取り組みます。
チリのかたちがどうしても気に行ってしまった子が、こっそりポケットに入れて持ち帰ることも。
そうやって出会った「わたしも知ってる」場所に、実際に訪れることができるなんて素敵です。
体験に勝る学びはない、というのはモンテッソーリとピースボートに共通する哲学。
「川」なら実際に遊びにいったあとで砂場で山を作るところから再現することができるけれど、 「海峡」「運河」を体験できるのは、ピースボートならではかもしれません。
ミニチュアの地峡に水を流しいれて遊んだ数週間後には、自分の乗った船がスエズ運河を通り、 その翌日にはエジプトに到着し、ピラミッドを訪ね、ナイル川を下り、コシャリを食べる。
そのすべてを大好きなお母さん、お父さんと一緒に体験するんだから、 これに勝る原体験はない!ですね。
2週間でスエズ運河!
さて、3日目を迎えた「子どもの家」ハイライトは、翌日上陸する中国の旗づくりでした。 5歳のゆきとくんがやりだしたら、もうすぐ4歳のれんちゃんも、ふみやくんもはじめました。 自分でかたちを作って、自分で色を塗って。 集中して作った旗を、長い棒を付けるとみんな大喜び!
絵本も、中国にちなんだものを、人気のアシスタント保育士「カニちゃん」に読んでもらって、準備万端です。 さあ、最初の寄港地、履門(あもい)には、どんな出会いが待ってるかな?