日々の保育1「おやつの時間にできること」
一番小さなけんしろうくんも、お姉ちゃんのあゆみちゃんがしてくれた「トントン」に安心して、しっかり眠ることができていました。
先生の努力と保護者のご協力で、出航後1週間もたたないうちに、「子どもの家」という小さな新家族のできあがりです!
そんなある日の、おやつの時間。高子先生がいいものをもってきてくれました!
前日に寄港した香港で買ったすてきなもの。なんでしょう。
丸い形をそのままお湯に入れると、きれいに花が咲くお茶です。
葉が柔らかくなっていき、花が咲くまでの間、じーっと楽しみに待つ子どもたち。
「はっぱがおよいでる」とあゆみちゃん。
さて、なんだって「じぶんでできた!」の体験を大事にする子どもの家では、おやつの準備も子ども達が自分たちで行います。
10時にクルーが運んできてくれるおやつは、寄港地で仕入れた南国のフルーツやトマトやきゅうりなど。
切っていない状態でおぼんに乗ってくるものを、子ども達が包丁で切り、それぞれのお皿にとりわけます。
おぼんにコップを乗せて歩いていたえまちゃんが、うっかりコップを落としてしまいました。
陶器のコップは、床で割れています。
えまちゃんは、驚きとコップが割れたショックでその場でしばらく固まっていました。
すると、床に落ちた陶器の破片を見て、他のお友達がしみじみ言いました。
「われるってこういうことかぁ…。」
子どもの家では、登園時の持ち物で「プラスチックではなく陶器のコップを持参してください」とお願いしています。
プラスチックではなく、あえて割れるものを使う、丁寧に扱わないと割れるものがあることを知る。
今回初めてモンテッソーリ教育の環境で仕事をする愛先生が、モンテッソーリ教育が「本物」にこだわる意味を再認識した瞬間でした。
最近では、おなかの前でお盆を真っ直ぐにして食器を運ぶことをしっかりと意識して実践できるようになった子どもたち。
3歳、4歳のお友達が多いクラスですが、皆、使い終わったコップを自分たちで洗ったり拭いたりもしています。
陶器のコップだから割れないようにと、自然に丁寧に扱います。
「これはちいさいね、ぼくの手はいるかな。」「こっちはおっきい!」なんて言いながら、形や大きさの違いも楽しみながらコップを拭くゆうきくん。
全てのコップを拭き終わると、とても満足そうな表情を見せてくれました。
丁寧に扱うこと、それは言葉で伝えるよりも、原体験がすべてなのですね。
割れたコップと引き換えに、みんな、たくさんの学びをもらったね。