インド洋で迎えるお誕生日
たくみくんは、3歳のお誕生日をインド洋で迎えました。
もう、嬉しくって嬉しくって、朝から「3さーいだもん!」と、ごきげんです。
お誕生日は、本人はもちろん、周りの子どもたちみんなにとっても『特別な日』なのです。
子どもたちも、
「今日はたっくんの誕生日だけん、みんなでケーキ食べよるよ」
「たっくん今日から3歳?いいなー」
と朝から、お誕生日の話題で持ちきりです。
降園のタイミングに合わせて、保護者の方にもお誕生日会に参加していただきました。
ピースボートに限らず、モンテッソーリの「子どもの家」では、お誕生日の日に子ども自身が国境線のない地球儀 を持って、太陽にみたてたキャンドル(船では火がともせないけれど。笑)のまわりを年の数だけ歩いて周る、というイベントをします。
地球が太陽の周りを1周したら1歳、2周すれば2歳というふうに。
子どもがゆっくりと歩くとき、お父さんやお母さんが、1歳だったときのその子の様子、2歳だったときのその子の様子を、みんなにもわかるようにお話ししてくれます。
お友達の誕生日がくるたびにこれをするので、子どもたちは、楽しみながら、「1年」というのは地球が太陽の周りを1周することなんだということが、自然とわかるようになります。
この日も、太陽(赤いキャンドル)を部屋の中心に置き、たくみくんが両手で地球儀を持ちました。
お母さんは、たくみくんがお腹の中に宿ったときのお話をします。
ずっと待ち望んでいた妊娠時代のお話にも、それぞれの物語があります。
たくみくんも、お母さんの側で嬉しそうに聞いています。
そして、誕生。
地球儀を持って、太陽の周りをぐるりと一周します。
『1歳のお誕生日がきたね』
お母さんが1歳の頃のお話をするのを聞き、太陽の周りをもう一周。
『2歳のお誕生日がきたね』
2歳のころのたくみくんのお話を聞き、もう一周。
『たくみくん、3歳のお誕生日おめでとう~!』
共有される成長の記録に想いを重ねて、涙を流すほかのお母さんもいました。
そこに居合わせたみんなが幸せな空気に包まれました。
――そして次の日、たっくんは、元気に登園してきて、先生にこう聞きました。
『ねえ。先生。たっくん、もうすぐ4歳?』
今日から、たくみくんが産まれて4年目の日々がスタートします。