小さな先生がたくさんいます!
12月半ばに日本に帰り着く、ピースボート子どもの家の保育日は残り10日を切りました。
子どもたちは約100日という短い期間ですが、これまでに経験してきたお仕事(*)を自分で選び、取り組んでいます。(*:子どもが真剣に取り組むことは “Play / 遊び” ではなく “Work / お仕事”。モンテッソーリ保育の現場では、子どもの活動を “Work / お仕事” と表現します)
子どもの家では、大人が子どもたちにお仕事の取り組み方を見せるだけでなく、自然と子どもたち同士で教え合う姿が見られるようになります。
今日は、ピースボート子どもの家に居た、『小さな先生』エピソードを3つ紹介します!
①
次に訪れる寄港地が、どんな場所か、知らせるために写真を切り貼りしていた、りおちゃんに、じんのすけくんがアドバイスしています。
「この ちいさい はた を きる とき は かど まで きた ら はさみ を すこし あげて こう やって きる と いいよ!」
実演付きで、説明してくれました!
「はた は ここ に はって、 ここ にじ を かく よ!」
「えっ!? どこ? ここ?」
「そっちじゃなくて、 ここだよ~」
言葉での説明に行き詰まると、前回、じんのすけくんが作ったメキシコの国旗を持ってきて、見せながら説明します。
「ほら、 こう だよ~!」
②
おやつの準備をしていた、りほちゃんに、みなとくんが寄り添いながら教えてくれます。
「ばなな は こう やって むくよ。 はい、 りほちゃん が やって みて!」
やり方を少しだけ見せたら、次はりほちゃんの番です。
「こう やって きる ん だよ~」
みなとくんが、ひと切れだけ切ったら、次はりほちゃんにナイフを渡します。
トングでお皿に移す作業は、全部りほちゃんに任せ、みなとくんが数を数えました!
【ひとり何個食べられるか】の表示を書くために、砂文字板 (*)を探しに行く時も…
「りほちゃん きて~」
一緒に行き、りほちゃんが砂文字板(*)を持つ番です。(*:板の上にひらがなが一文字ずつ砂で吹き付けられている教具。文字の部分がザラザラになっているのが特徴)
文字を書く時も、2歳のりほちゃんに鉛筆を渡して、りほちゃんの番!
クリップで【ひとり何個食べられるか】のカードをはさみ、おやつの準備は完了です!
③
いりちゃんが、ボタンつけをしたいと言った、けいすけくの隣に座って教えてくれました!
まずはボタン付けに必要な道具の紹介から…
針を見せて「ここ は ちく って する から き を つけて ね!」
けいすけくんが、ボタンの上から針を通そうとすると…
「はり は した から いれる よ~」
「そしたら ぐる って 2しゅう する よ!」
いりちゃんの経験を踏まえて、やさしく丁寧に教えてくれます。
子どもたちは、自分の経験からとても的確なアドバイスをし、忍耐強く丁寧に教えてくれます。
そんな子どもたちの姿に、大人が学び、教わることがあるほどです^^
経験したことを人に教えることによって、子どもたちの自己有用感(自分に何か役割があると感じること)や、自己尊重感(自分を信じ肯定する気持ち)が育っていきます。
ピースボート子どもの家で経験したことが、日本に帰ってからも子どもたちの中に根付いていくことを願っています^^
(冨永和美)