家庭でできるモンテッソーリ
先日、「 子どもとお手伝い 」や「 くつ洗いの仕事、大流行中 」の記事の中で、小さな「自分でできた!」を積み重ねることの大切さ、そして「子どもサイズの本物」を、子どもが普段生活する環境の中に用意しておくことの大切さを書きました。
【 #おうちでできるモンテッソーリ 】シリーズ、「ぜひ家でもやってみたい!」という声もたくさんいただきましたが、同時に、「子どものためにそんなにいろいろ用意するお金も場所もないし・・・」という声もよく聞きます。
そうなんですよね~!
スタッフとして「子どもの家」運営に関わりながら、家庭ではふつうの母親でもある私たちも
家では 「わかっちゃいるけど・・・」 を繰り返しています。
3年間やってきて見えてきたのは、「モンテッソーリ」といっても決して高級なものをどこかで購入して用意しているわけではないこと。普通の幼稚園にも、一般的な家庭にも、そんな予算はないのです。笑!
ただ、モンテッソーリの先生たちは、子どもの行動をよく観察し、自分でやってみたそうなことが「できた!」という体験に変わるように、「子どもサイズの本物」の道具との出会いがないか、日々暮らしの中で目を光らせています。
家では、とくに、その観察と道具探し(ときには作る)を「無理のない範囲で」、「できるだけ」頑張る。それでいいように思います。
旅館に泊まれば
「あ、この石鹸、子どもの手にぴったり」といただいてきたり、(なくなれば、次からは市販の石鹸を子どもの手のひらサイズに切る、ということをするようになる)
100円ショップに寄れば
「この簡易大根おろし、子どもが石鹸を削るのにいいわ~」と買ってみたり、(おろしがねの部分がフタになっていて、そのまま下のお皿に落ちるタイプが子どもたちの好みです)
よくお茶をこぼす我が子を見ては
「ピッチャーの首にくびれがあれば、一度勢いが弱まるから2歳児にもミルクが注げるかも」
「大人の1/4サイズで雑巾を縫ったら、自分でふけるようになるかな」と考え、
皿洗いを手伝いたいと駄々をこねられれば
「市販のものを1/3に切ったスポンジでなら、びちゃびちゃにならずに洗うかしら」
「子ども用にたらいを用意してというのも面倒だし、踏み台はやっぱり用意したほうがいいな」
・・・というふうに、子どもの環境作りのために目を光らせはじめると、ぴったりとハマるものが見つかったときに、それはそれで、ものすごい達成感!
子どもサイズの本物道具を探す癖、少しずつ、趣味化していきます。笑
もっと簡単にいろいろ見つかったらいいのですけどね~、残念ながらおもちゃではない「子どもの道具」がまだまだ社会に少ないのは、そのまま、大人中心に社会づくりをすすめている文化の表れなのかもしれません!
長い時間をかけて、いいものを安く自分で探すことが、趣味や喜びになるならいいですが、皆が皆そういうわけにもいかないと思うので、今日は、子どもサイズの本物の道具や、子どもの発達に自然に寄りそったいいものを、たとえばプレゼントとして、「今すぐほしい!」という人のために、先輩モンテッソーリアンが集めたサイトを紹介しようと思います。
まずは、アメリカから。
約30年の老舗、マイケル・オラフ社という素敵な会社が、子どもの道具や玩具を売るショップを持っています。
代表のスーザンさんは、モンテッソーリ教育を通じて長女が大きく成長したのを目の当たりにして、ご自身もモンテッソーリ教育の勉強を始め、0-3歳、3-6歳、6-12歳の各コースの国際モンテッソーリ教師ディプロマを取得した方です。
1983年には、厳選された教材を提供するマイケル・オラフ社を夫ジムと立ち上げ、その後、商品カタログとウェブサイトを通じて、世界にモンテッソーリの理念の情報発信を続けています。
これまでに70カ国を回り、各国の文化や教育状況について学びつつ、米国、インドをはじめとする各国で教育コンサルティング活動を行っていて、美術への造詣も深く、アーティストとして油彩も多数発表している素敵な方です。
今は大人になった息子さんの名前を社名にしたこの会社、オラフ社のホーム画面 には、モンテッソーリ教育関連の耳より情報もたくさん掲載されていますので、ショップ以外の情報も、ぜひぜひご覧ください(英語)。
*上記、すべて訳したいくらい素敵な内容ですが、英語はちょっと・・・という方には、誕生から3歳までの子どもたちの子育て情報を訳した本『デチタ、でチた、できた!』が、「ピースボート子どもの家」アドバイザーの深津高子さんの監訳で出版されましたのでお知らせしておきます。
こちら、出産をひかえたお友達に贈るのに最適な本です!→「デチタ、でチた、でちた!」詳細ページ へ
そして、日本にも、九州にいるお母さんたちが立ち上げた素敵なウェブショップがあります。
その名も、「 子どもの道具や 」!!
子どもサイズのデッキブラシから靴磨きセット、ガーデニングセット、窓ふきセットまで、思わず「かわいい~!」の言葉が漏れてしまう、本物の道具ばかりのラインアップです。
私が個人的に愛を感じてしまうのは、1・2歳児の拭き掃除にかかせない手縫いのミトン。
雑巾だとまだうまく手に力をいれることができない1・2歳児でも、ミトン型なら大丈夫。それが「53円~84円」で販売されているのです。 良心的~!愛がある~!
忙しくて縫う時間がない人も、これならはじめられますね♪
それから、ショップとは少し違いますが、深津高子さんは講演などで、家でできることを聞かれるたびに、いつも4冊の本を紹介しています。
1冊目はもちろん、上記のスーザンさんが書き、深津高子さんが監訳した「デチタ、でチた、できた!」です。
次の1冊は、田中周子さんの「 型紙のない子育て 」。
赤ちゃん時代から小学校まで、子ども達の興味や想像力にインスピレーションを吹き込むいろいろな遊びを提案してくれる本です。
単に遊びを紹介するのではなく、子どもたちがどういうことを子どもは不思議に思ったり興味をもつのか、だからどんな遊びを提案したら楽しいのかなどを、作者の体験を交えてエッセー風に記されています。
それから、寺西恵理子さんの「 3歳からのお手伝い 」。
紹介してある内容は、さまざまな家庭ですでにされているものかもしれないけれど、「楽しむための工夫は十分だったか?」「子どもに任せて見守ることはできていたか?」そんなことを確認するのにも役に立つ本です。
最後に、写真で見るからわかりやすい「 モンテッソーリの子育て 」。
月刊クーヨンの増刊号で、国内外のモンテッソーリ実践例をしっかり取材しています。
*私は、この本と(上記の)「デチタ」の本をセットで、妊娠したお友達にプレゼントすることが多いです。
ムリなく、できる範囲で。
使い古しの道具を、リメイクすることもあわせて「手作り」を親子で楽しみながら。
お金などそんなにかけず、でも、子どもたちの観察だけは、手ぬかりなく。
以上、
今日は「家庭でできるモンテッソーリ」のための、おすすめ紹介でした~。