子どもと「おてつだい」
子どもたちは、赤ちゃんのときからずっと、身近にいる大好きな大人であるお父さん、お母さんのしぐさを見ていて、「ぼくも(わたしも)やりたい!」と思っています。
「お料理ってね、こうつくるのよ」
「洗濯物は、こうするの」
と、大人なら言われた順にやってみることもできますが、6歳前の子どもたちは世界のすべてを「体験することによって」理解し、自分の知識とします。
大人にとっては簡単な、手と目の協応、そこに意識を集中させることも、子どもはさまざまな体験を通して習得中で、大人がやっているような仕事を「じぶんでやってみる」ことを、本当に喜びます。
大人ならうんざりするような仕事も何度でも嬉々として繰り返すその姿は、まるで、自分の指先や感覚が洗練されていくのを確かめて楽しんでいるかのよう。
子どもの家では、机やいすがおやつの食べ残しや、絵具などで汚れているのを発見すると誰かが嬉しそうに「机、洗おう~っと」と動き出します。
世界中の子どもたちが、2歳くらいの頃から
「おてつだい(する)!」
「いっしょ!(にやりたい)」
と言い出します。
子どもたちは、自分の成長になにが必要か、自分でしっかりわかっているんだなあと思います。
「子どもの家」での子どもたちの様子をこうして観察していると、子どもが手と目を協応させる練習の機会、順序を覚えようとする機会、自分で水を運ぶバランス感覚、そしてなにより集中して仕事を終えたときの「じぶんでできた!」を感じる機会、なるべくたくさん作りたいですね。
子どものお手伝いを招き入れると、作業には倍の時間がかかります。
だからといって、「あぶないから、いいわ。あっちで遊んでて」なんて言ってあしらうのはもったいない。
三つ子の魂百まで、とは本当によくいったものだと思います。
小さいころから「自分のことは自分でする」「みんなのために仕事をする」が習慣になっていた子どもは大人になっても自然とそうふるまうことができるでしょう。
(逆に、小さい頃、いちばん「やりたい!」時期に仕事を奪われていたら、小学生になって、できそうな年頃になった子どもにお手伝いをお願いしても習慣にないので「やだよ~。あっちで遊んでる」となってしまうのかなとも思ったりして・・・ ひえ~)
・・・なーんて、母としての自分が家庭での毎日にそんな環境をいつも作れているかといえば、難しいことなのですが、笑。
子どもたちの「じぶんでできた!」を応援することは、20年後の未来を育むことでもあります。
母としても、毎日、少しずつ頑張りたいと思います!