1才半からできる裁縫【家庭でできるモンテッソーリ】
1才半から、お裁縫!?
縫い物って小学生になってから家庭科で習うんじゃない?
1才半から裁縫は早すぎる?
本物の針なんて危ない!?
そんな声が聞こえてきそうです^^
『縫いさし』の活動は、ピースボート子どもの家では大人気の活動で、順番待ちができるほど。
小さい子どもたちでも、楽しく縫うことができるのはなぜなのか。
その秘密はモンテッソーリ教育で使う道具や紹介の方法にあります。
【縫う=布】が当たり前のイメージですが、モンテッソーリの環境では【紙を縫う】ことから始まります。
色画用紙にシンプルな線あり、あらかじめ針を刺す穴があいています。
線上を縫える工夫がされているのです。
「今日は何色にしようかな〜」と画用紙の色を選ぶ楽しさもあります。
初めて『縫いさし』を紹介する1才半くらいの子どもには・・・
「見ててね」と、大人が画用紙を縫っている様子をじっくり見るだけの時間を作ります。
針に糸を通す部分は大人が手伝い、子どもが縫う順番です。
「はい、あなたの番」と、サラリと声をかけるのがポイントです。
初めての時は、縫い終わった後、玉留めをしなくても良いでしょう^^
縫うのが楽しくなると、針に糸を通したり、玉結びや玉留めだって自分でやってみたくなります。
慣れてきたら工程を増やし、徐々にチャレンジできると楽しいと思います!
道具には、針ケースに1本だけ針を用意しましょう。
そうしておけば無くなった時、すぐに気づくことができますし、周辺から1本だけ探せば良くなります。
針山には針穴がよく見えるようにセットします。
「見ててね」と、大人が糸を通す様子をじっくり見せてから、子どもへ「あなたの番」とバトンタッチすると、手順を口頭で説明する必要がなくなります。
子どもの手のひらにちょうど良いサイズの針で、針穴が大きいと後々自分で糸を通しやすいと思います。
始めのうちは糸も使いやすい長さにカットして道具に入れておくと良いでしょう。
慣れてくると2歳の彼女のように、自分の使いたい長さにカットできるようになります!
玉留めや玉結びも、ゆっくり丁寧に動いている大人の手を見るチャンスがあれば、子どもはあっという間に真似したくなるでしょう^^
シンプルな線を縫うのに慣れると、円や絵へと発展できます。
縫う箇所に目打ちで穴を開ける作業も、自分でやりたくなるでしょう^^
ここからは、ちょっぴりアカデミックなお話を・・・
人間は生まれたその瞬間から『原始反射』で無意識的に動きます。
手のひらに物が触れるとぎゅっと握り締めるのも反射で、この『手の把握反射』は生後3ヶ月ごろになくなります。
生後3ヶ月ごろから、赤ちゃんは意識的に物に触ろう、掴もう、と動きの練習が始まります。
徐々に自分の意志で手を動かすことができるようになり、おもちゃを持って音を鳴らしたり、ボールを投げたりするようになります。
自分の意志で手を動かせるようになったら、新しい動きにチャレンジすればするほど手先の動作が洗練されます。
私は手先があまり器用でないので、スムーズに針に糸が通っただけで嬉しい気持ちになります!
日ごろから縫い物をしている人にとっては当たり前のことですが、私はなんだか嬉しくなる瞬間です^^
何度も何度も根気よく挑戦して、生まれて初めて自分で針に糸を通すことができた時、子どもは本当に嬉しそうな満足げな表情をします。
ぜひ、その嬉しい瞬間に立ち会ってください^^
大袈裟に拍手して褒めるより、「自分でできたね」と、その瞬間を一緒に喜べると素敵です!
船で初めて裁縫に出会う2歳から6歳の子どもたちは約100日間で刺繍をするようになります^^
彼も画用紙から始めて・・・
クルーズの後半にはアフリカ大陸の刺繍にチャレンジ!
こんなに細かくステッチできました^^
ぜひご家庭でも『縫う』にチャレンジしてみてください^^
(佐藤愛)