2~3歳クラスでの様子(お仕事編)
キッズルームに慣れてきた子も少しずつ多くなってきたICクラスのお友達。
お部屋では自分で選んだお仕事(※)で集中している姿が多くみられるようになってきましたよ!(※子どもが真剣に取り組むことは “Play / 遊び” ではなく?”Work ?/ お仕事”。モンテッソーリ教育の現場では、子どもの活動を “Work ?/ お仕事” と表現します。)
今日は、2から3歳の小さな子どもたちが、クラスで実際にしていたお仕事をいくつかご紹介します。
<はさみを使って紙を切るお仕事>
初めてするお仕事はまず保育士がやり方をゆっくり提示します。
子どもの隣に座り、「見ていてね」と声をかけ、作業する手を本人の目線の目の前に置きます。子どもは見たものをそのままに吸収できる天才。多くを説明せずに、ゆっくりしっかりと「動き」を見せていきます。
次は2歳の女の子がひとりでやってみます。
お仕事は自分が納得いくまでくり返し続け、自分のタイミングで終えます。
この様子を見ている他のお友達がまたお仕事に興味を持ち、自分で好きなお仕事を選択します。
次に3歳の女の子が興味を持ってやってきました。
はさみで切る楽しさを感じることのできた子ども達。慣れてくると切る長さを変えたり、線に沿って切っていきます。
<コイン落とし(指先を使う作業の洗練)>
指先を使ってコインを掴む作業。貯金箱の中にコインを落とし、コインが無くなればとり出すといったくり返し作業。この作業、小さな子どもたちは大好きで、ずっと集中して続けます。
<ひも通し>
このお仕事も指先を使ったお仕事。3歳の女の子は最後までお仕事をやり通すと、
「みて!できた!」と、ネックレスに見立てて自慢げに見せてくれました。
<水やり>
子どもサイズのジョウロがあり、子どもが水を入れやすい高さにタンクが設置されています。この環境を整えることで、子どもが一人で水やりの準備ができます。
もし、水をこぼしても子どもサイズのミトンで床を拭けば大丈夫!
ミトンの場所も片付けた後のミトンを置く場所も、最初から最後まで子どもに伝えるので自分でやりきる達成感を大切にしています。
※雑巾を使うことがまだ難しい2歳?3歳の小さな手には、自分の手のサイズにピッタリのミトン型に縫った雑巾が大活躍。すっぽりとミトンにおさまった手はすべらず、上手に拭くことができて、ここでも「できた!」の達成感。
ICクラスで過ごしたたった2日間で環境に少しずつ慣れて、自分でお仕事を見つけられるようになった子どもたち。小さな子どもたちにも、こんなにたくさんの仕事があります。
子どもの家には、すべての教具、道具がひとつずつしかありません。やりたいだけ繰り返す自由があると同時に、他のみんなのために、元通りにあった場所まで戻すまでがお仕事。
興味を持って他のお友達の活動を見に来たお友達は、「●●ちゃんもやりたい!」とお友達のお仕事を中断するのではなく、「見ててもいーい?」「終わったら貸してね」と声をかけます。
子どもたちがその言葉を身につけ、好きなことに好きなだけ取り組める環境でそれを実践するうちに「自分も、好きなことに集中しているときは楽しい。お友達にも同じように好きなことがあり、そのための時間が必要なんだ(=邪魔をせずに、終わったら貸してもらおう)」ということが自然とわかるようになります。
2?3歳の小さなお友達でも、全員がこの社会を構成する大事な一員です。自由と責任のバランスは、教わるものではなく、普段の習慣から身に付くのか、と子どもたちに教えられます。
子どもの家で楽しく過ごし、色んな経験を重ねていく子どもたちの姿がとっても楽しみになりました。
(斉藤裕子)