洋上からの報告(4):洋上スペイン語会話の時間と、ベネズエラ訪問の感動
今回の記事では、「GET」、およびベネズエラでの交流風景を紹介します。
GET とは「Global English & Espanol Training」のことで、世界中から集まった先生たちと一緒に
「正しい」言語ではなく「伝わる」ことばを学ぶためのプログラムです。
そして、キッズGETとは、毎日お昼寝後の時間に過ごす、英語やスペイン語の時間。
難関の面接を合格して世界中から集まり、大人向けの英会話・スペイン語会話の教室をしている先生たちが、子どもたちにも異文化と言語に親しむ時間を提供してくれているのです。
73回クルーズのベネズエラ入港数日前、スペイン語の先生と一緒に、特別ゲストがやってきました。
大人向けの講演者として乗船していたベネズエラのユースオーケストラ「エルシステマ」のパーカッション担当、ハビエルです。
なにせ、今回の航路で行く港の1/3はスペイン語圏。
スペイン語にもだいぶ慣れてきた子どもたちは、突然の訪問者にはにかみながらも、すぐに仲良くなっていました。
子どもたちにわかりやすいようにゆっくりと自分の名前を伝え、相手の名前を聞き、
「ムチョグスト(はじめまして)」と大きな手でぎゅっと握手をしてくれるハビエルにみんな夢中!
サイコロを振って同じ言葉(「こんにちは」「お元気ですか?」など)を
英語かスペイン語どちらか出た目の言葉で言うゲームをしたり、色を教えてもらったりしました。
途中からはオーケストラの他のメンバーも参加し、ベネズエラの手遊び歌も歌ってくれたり、とても楽しい時間を過ごしました。
ベネズエラの交流コースでは、首都カラカスにあるマリア・モンテッソーリ教育センターを訪れました。
午前中は10人ほどの小グループに分かれてクラスにおじゃまし、お仕事の様子や日常生活を見学させていただきました。
教室に入ると一人の女の子がりりちゃん、あけちゃんの元にはめ込み円柱を持ってきてやって見せてくれました。(まるで先生が教具の提供をしてくれてるみたい!!)
二人とも子どもの家でやったことはあるのですが、女の子を前に真剣に見ています。
女の子は自分がやり終えるとりりこちゃんの前にそっと置き、
りりちゃんも同じようにやってあけちゃんに渡していました。
その後も日常のお仕事(粉と豆が混ざったものをざるで篩って別々にする)やスタンプも一緒にやっていて、言葉は通じなくても教具を通して交流ができるのだな~と先生もしみじみ。
レストランでの昼食をはさんで、午後からは小学校高学年のお友だちとの文化交流の時間です。
事前の分科会では午前の小グループでそれぞれ日本の文化を出して交流する…という形で、
りりちゃん・あけちゃんのグループは洋上の運動会で練習していた「たけのこ体操」も準備していました。
相手方の出し物のお返しとしてみんなの前で披露してほしいということになり、
りりちゃん、あけちゃんに「たけのこ体操みんなの前でやってみる?」と聞くと「やる!」と大張りきり。
数十人のベネズエラの方たちの前で披露しました。
やり終えると向こうの方から一緒にやってみたいとの申し出があり、みんなで輪になって「たけのこ体操」。
二人とも小さな先生になって、とても張り切っていました。
相手の学生や先生方もノリノリで一度見ただけでたけのこのコミカルな動きを覚えてくれました。
受け入れ先の先生にたけのこ体操の音源をお渡ししたので、いまごろ、日本との交流を思い出しながら「たけのこ体操」をやっていただけているかもしれません!
船に帰ってきてからも、子どもたちはご家族と一緒に船上で開催していた
アフロ・ベネズエラの音楽とダンスイベントに参加していました。
会の最後のほうにバンドのメンバーにみんなで一緒に踊ろう!と誘われ、
満員のブロードウェイの中から出て行ったのは、りりちゃん、あけちゃん、ひすちゃん、はすちゃん。
・・・と、そのお父さんお母さんたち!!笑
明るくてパワフルなベネズエラの音楽に合わせてリズミカルに体を動かしたり、くるくる回してもらったり、みんなとても楽しそう♪
中でも一番はじけていたのははすみちゃん、ひすいちゃんのお父さんでした。(お父さん、最高です!)
この2日間でベネズエラの文化にたくさん触れることができたと思います。
そして、ベネズエラの翌日。
朝登園したあけちゃんが「昨日ハビエルが帰っちゃった、さびしいよ~」と言いました。
「そっか昨日のベネズエラで降りちゃったんだ。あけちゃんハビエルと仲良しだったもんね」と先生が言うと、
「うん、出口のとこでまた会おうねってバイバイしたよ」と話してくれました。
カナリア諸島・ラスパルマスから10日間、
水先案内人のハビエルとの交流があけちゃんの中にしっかり刻まれたのでしょうか。