「どうぞ」の習慣
モンテッソーリ教育では日常生活のさまざまな場面で起こりうることや、子どもたちに身につけてほしい礼儀や作法を劇遊び(ロールプレイング)を通して一緒に考えます。
今日のお題は『狭い場所を通るとき、どうするか?』です。
まずはじめに、みんなで列になって保育室を歩きます。
次に机を使って狭い場所を作ります。
こちら側と向こう側とに2人が立ちます。
狭い場所を通ってみる前に、高子さんが子どもたちに質問します。
「こういう時、どうしたらいいかな?」
「どっちがちいさいお友だちかな?」
「○○ちゃん!」
子どもたちはすぐに答えます。
「年上の人はどうしたらいい?」
子どもたちが考えます。
「“どうぞ”って!」子どもたちから意見が出ます。
大きい人が、年下の人に道を譲ることになりました。
年下の○○ちゃんは「ありがとう」と言い、先に通ります。
「お水を運んでるお友だちが来たら、どうする?」
「85歳のおじいさんが来たら、どうする?」
「足を怪我している人が来たら、どうする?」
いろいろなシチュエーションを考えます。
お水を運ぶ人の役をしたり、おじいさんの役をしてみたり、子どもたちの名演技に劇遊びは盛り上がります。
最後に高子さんが「子どもの家の中だけじゃなくて、船の中も同じだよ。船にはたくさんの人が生活しているよね。」と、お話ししてくれました。
子どもたちは保育室で身につけたことを、生活の中で自然と出来るようになっていきます。
“幼いからできなくてもいい”ではなく、幼い時から社会の礼儀や作法、マナーを伝えることは、とても大切なことです。
約1000人が暮らす村のようなピースボート社会でも、大人も子どもも気持ちよく過ごしていきたいものです。
(冨永和美)