子どもたち、自分でつくった卒園式
ついにこの日がやってきました。
船旅も残りわずかとなったこの日、子どもたちの『卒園式』を行いました。
卒園式は10時からですが、子どもたちは9時に登園。
いったんママたちとバイバイをし、卒園式の最後の準備をし、卒園式本番を迎えます。
卒園式だって、自分たちで用意するのが「子どもの家」流なのです。
そして10時…
保護者の皆さんが見えると、めいちゃんたち、「まだだめー!!」とママたちに向かって言いました。
保護者の方を招きいれようとしていた先生たちもビックリ。
どうして?と思って見ていると、年長のにこちゃんやめいちゃんが中心となってお友だちを呼び集め、みんなできちんと並んで座ったところで、「はいってもいいですよー!!」との声。
子どもたち自身でどうしたらいいかを考えて行動していて、いつの間にこんなことができるようになったんだろうと、先生たちは式が始まる前からじんわりと感動してしまいました。
そして、卒園式のはじまりです。
卒園証書を一人ひとりに手渡します。
「世界や地球のことに興味を持つようになりましたね」
「好きなものは好き、嫌いなものは嫌いと言えるようになりました」
「みんなのお姉さんのような存在になりましたね」
…など、
一人ひとりにそれぞれに向けた卒園の言葉を贈ります。
証書を読み上げる先生も感極まり…涙で言葉が詰まってしまう場面もありました。
大人たちが感動してうるうるしていても、子どもたちは名前を呼ばれるとしっかりと「はい」と返事をして、前に出てきて、証書を受け取って戻っていきます。
どことなく誇らしげで、どの子も自信がついたような、いい表情をしています。
3ヶ月前より、一回りもふた回りも成長し、大きくなった子どもたちの姿がありました。
小さい子や、お友だちにとっても優しく、自然とみんなの間に立ってくれたにこちゃん。
洋上ミュージカル・コモンビートでも大活躍し、お仕事にも深く集中するようになった、めいちゃん。
抜群の観察力で、船をじっくり眺め、毎日大好きなお絵かきをし続け、色彩もかたちも丁寧に描写した素晴らしい絵を描くようになった、とおるくん。
遊びを考える名人で、みんなのムードメーカー、 お洗濯や、食器洗いなどの身近なお仕事が大好きな、みりちゃん。
お友だちが大好きで、独特の優しさの持ち主。
お休みのお友だちのところにプレゼントを届けてあげていた、りほちゃん。
文字や絵を描くのが大好きで、お友達や先生、ママ、パパ、のんちゃんに、船の上でたくさんお手紙を書いた、ももちゃん。
英語やスペイン語に興味を持ち、クルーにもいつも積極的に外国語であいさつをしていた、ゆいちゃん。
自己表現が豊かになり、集中力も十分!!
自分で着替えができるようになったり、ボタンやスナップも上手にできるようになった、あらたくん。
パパとママが大好きで、保育園デビューで泣いてばかりいたけど、今は自信に溢れ、自分より小さなお友だちにもちゃんと気をくばれるようになった、こあくん。
歌が大好きで、いつもフンフンと鼻歌まじり。
『7たいりくのうた』だって英語でも日本語でも歌えるようになった、あんちゃん。
乗船時は「ママ」の1単語ばかりだったのが、おしゃべりがとっても上手になり、船内のお兄さんお姉さんやクルーの名前もたくさん覚えた、かおるくん。
そして、アムステルダムから一足早く日本に帰ってしまったけれど、日本から船にみんなに手紙を書いてくれた、みんなの兄貴分、ないきくん。
12人の子どもたち、ピースボート子どもの家を卒園です!!
卒園式に合わせ、子どもの家アドバイザーの深津高子さんから、お手紙が届いていました。
「さようなら」は悲しいけれど、次の「こんにちは」が待っているんだよ、という愛のこもった温かいお手紙。
その言葉はじっと聞いていた子どもたちだけでなく、大人たちの心にもしっとりと染み渡ったようでした。
卒園式後は、場所をスターライトに移動しての卒園パーティーです!!
サブタイトルを『ありがとうの会』とし、船でお世話になったお兄さんお姉さんやGETの先生、そして時々保育を手伝ってくれていた参加者の方々に、子どもたちの成長と、感謝の気持ちを伝えようと行いました。
子どもたちは、誰を卒園パーティーに呼びたいかを考え、みんなで招待状を作っていました。
まだ字が上手に書けないりほちゃんやみりちゃんも、「かく!!」と言って一生懸命書いてくれました。
招待状を受け取ったお兄さんお姉さん、「えっくれるの!?ありがとー!!」とみんな大喜びしてくれていました。
当日は、招待状をもらった人ももらっていない人も含め、100人以上の方が卒園パーティーに集まってくれました!!
卒園パーティーでは、子どもたちの成長をまとめたスライドショーに始まり、お世話になったGETの先生や、お兄さんお姉さんに子どもたち手作りの「ありがとうカード」をプレゼントしたり、保護者の方々から子どもたちに、思い出アルバムのプレゼントがあったりしました。
子どもたちがいちばんありがとうを伝えたい相手は、やっぱりお父さんお母さん。
お父さんお母さんには内緒で手紙を書いていた子どもたち。
「いっしょにおどってくれてありがとう。」
「デートしてくれてありがとう。うれしかった。」など、精一杯の気持ちを表現した子どもたちのプレゼントに、会場がとってもあたたかい空気で満たされました。
最後は元気に、みんなが大好きなコモンビートのうたを歌いました!!
♪いつだって心の中に みんながいる 手をつないで 歌おう 踊ろう かけがえのない仲間たち♪
100日以上をいっしょに過ごし、本当の兄弟のように仲良くなった子どもたちと家族たち。
まさに、かけがえのない仲間となりました。
これから日本に帰って、暮らす場所はばらばらになってしまうけれど、この夏の3ヶ月半をいっしょに過ごしたことは、みんなの心の中に刻まれていることでしょう。
これまで、子どもの家に通ってくれた子どもたち、毎日子どもの家に通ってくれてありがとう。
保護者の方々、子どもの家を支えてくださったみなさま、いっしょに子どもたちの育ちに関わることができて、本当に嬉しかったです。
ブログを支え続けてくださった方も、ありがとうございました。
スタッフ一同、これからの子どもたちの成長を、心より楽しみにしています!!