船の上から野生のイルカに遭遇!
船は、800人の参加者と100人のスタッフ、300人のクルーが共同生活する「村」のような場所。
そこに今回は子どもたちがたくさん乗っているのだから、朝からとても賑やかです。
子どもの家に参加している6人の子どもたちは、横浜を出発してたった3週間で、まるで昔からの兄弟姉妹になったように仲良しになりました。
縦割り保育は子どもにとってなによりのギフトだと思います。
一人っ子だった子たちは「わたしが」「ぼくが」を乗り越えて、自分より小さな子を気遣ったり、
手を取って何かを教えてあげたり、共有することや順番を待つことも少しずつ覚えているのです。
子どもが一人お部屋の外に出れば、あっちからもこっちからも子どもの声につられて出てきます。
全長240メートル、3万8千トンの船ですから、大人でも迷子になる広い広い船内です。
でも、お友達が一緒となれば3歳の子でも自分たちだけの探検をはじめ、
キャビンのある5Fフロアなら子どもたちだけでお出かけしていきます。
19:00になると翌日の船内新聞が発行されるので、決まって子どもたちが
「しんぶんとってくるね」といってレセプションまで新聞を取りに出かけます。
それが今ではすっかり子どもたちのお仕事です。
(初めてのおつかいみたいでかわいい~!)
縦割り保育の「子どもの家」でもいちばんのお兄ちゃん、ユキトくんは、クルーとの会話も積極的。
お水がほしいときは手を上げて「ウォータープリーズ」と言ったり、全部食べ終わったら「フィニッシュ」と告げてお皿をさげてもらったり、大人顔負け。
まだ4歳ですが、カタカナを読めるのでクルーの名札を見て、既に何人ものクルーの名前を覚えてお友達になっています。
今日は「スペイン語もおぼえたんだよ!」と言って、「こんにちは、は、オラっていうの」と嬉しそうに教えてくれました。
今、船では、ヨルダンにむけて中東専門家の高橋和夫さんが トークをしたり、
カンボジアの地雷廃絶スタディツアーに行ったグループが報告会をしたり、
洋上大運動会があったりと大忙しのインド洋を過ごしていますが、
ハイライトはなんといっても、これ。
見えますか?
レンちゃんの指さす方向に、イルカたちがつくるウェーブ!
プロのカメラマンが撮ったものではないのでイルカたちのクロースアップがないのが残念ですが、
ここ数日、早朝やお昼から午後にかけてイルカや鯨を見たという人が続出しています。
今回の子どもの家コーディネーターの同僚、アユは、同行している娘のレンちゃんと
夕食時にこんな会話をしていました。
あゆ 「イルカ見られたらいいね~」
れん 「れん、ふみやくんとイルカみたよ」
あゆ 「どこで見たの?」
れん 「アミのところ」 (※ボールが飛ばないよう、網を張ってあるスポーツデッキのこと)
あゆ 「え~そうなんだ。イルカはどんな風に泳いでた?」
れん 「こんなふうに」 (手をウェーブさせる)
あゆ 「ふみやくんと二人でだけ?大人はいなかったの?」
れん 「かにちゃんは(他の人と)お話聞いてたから」
あゆ 「イルカ見てどうだった?」
れん 「おうた、うたってたよ」
アユがふみやくんに聞いても、やっぱりイルカを見たと言っているので、本当の話みたい。
イルカの歌が、子どもたちには聞こえるのでしょうか。
おとぎ話みたいで、超すてき~!!
大人でも興奮する、大海原での野生のイルカとの出会い。
2歳の子たちにとっては、図鑑や水族館で「イルカ」を知る前に本物に出会えたことにもなります。
大人まで一緒になって「うわあ、見て!」と感動する体験は、子どもにとってかけがえのない感動でしょう。
子どもの家の環境にも子どもたちはどんどん慣れていて、
まるでスポンジが水を吸収するかのように子どもたちの「やりたい」「知りたい」が花開いています。
その報告も、後日また。
船は、もうすぐヨルダンへ。
明日はどんなワクワクが待っているのかな。