『礼儀・作法と挨拶』:どうやって歩きますか?
モンテッソーリ教育には【日常生活の練習】という領域があり、そのなかに『礼儀・作法と挨拶』があります。
人と関わるうえで、どう振る舞うか、ということで、子どもたちは、周りの大人の姿を見たり、【劇あそび】と呼ばれるロールプレイで体験しながら、身につけていきます。
ちょっと気をつけて欲しいな…と、思う場面があれば、劇あそびに取り入れ、子どもたちが気づくきっかけをつくります。
今回は、そんな『礼儀・作法と挨拶』の1コマをご紹介します。
「船が揺れることがあるけど、机や棚、お友だちにぶつからず、みんなが怪我しないように移動するにはどうしたらいい?」と、麻弥先生が聞きます。
「はしるとあぶないから、あるくんだよね!」
「みんなにぶつからないように、ゆっくりあるく!」と、子どもたちは、それぞれ答えます。
「今からどうやって歩くのか、みんなに見せてくれるかな?」と、麻弥先生が聞くと、「はい!やりたい!」と、元気よく手を挙げてくれました。
まずは、4歳のアッコちゃん。
みんなが注目していたので、少し緊張した様子で立ち上がり、歩きだしました。「アッコちゃん、ゆっくりあるいてたね。」と、子どもたち。
次は、3歳のチーちゃん。
みんなが見てくれることが嬉しいのか、ニコニコ笑顔です。「あ!いま、はしった!?」
「ちがうよ!ふねがゆれているから、チーちゃんは、はやあるきになっただけだよ。」「そっかぁ…」
子どもたちは、お友だちの動き方を真剣に見て、コメントします。
2歳のマサちゃんも挑戦です。向こう側のドアをタッチして戻るマサちゃん。
なんだか嬉しそうですね!
時々、船の揺れでタタタ・・・と、早足になるときもあるけど、しっかり歩いて移動する姿に、みんなも優しい眼差しで見守ります。
最後は、5歳のお兄さん、ソウちゃんの番です。
ソウちゃんは、船が揺れていることを意識しながら、一段とゆっくり、足音も聞こえないほど丁寧に歩く姿を見せてくれました。
子どもたちは、自分でやってみたり、お友だちや大人の姿を観察しながら、動きを身につけます。日々の生活で「自分で意識しながら行動しているな…」という場面に出会うと、子どもたちの成長を感じ、とても嬉しくなります。
(平松亜衣)