水彩画パレット「こんな色になった!」
ヨーロッパに入り、子どもたちは、芸術に触れる機会が増えています。
教会のステンドグラス、ゴシック調の建造物、美術館へ訪れ、自分の目で美しいものを見ています。
ル・アーブル(フランス)とルーアン(フランス)に寄港した後、水彩画で自己表現ができるよう、水彩画パレットと画用紙を用意することにしました。
それを見つけた、5歳のフクちゃんが「ぼく、やりたい!」と興味を持ちました。ゆっくりと筆を動かし、丁寧に描いている様子がうかがえます。
「これは、き、だよ。こっちは、にんげんをかいたの!」
と嬉しそうに教えてくれたフクちゃん。
バレンシア(スペイン)では、オレンジの果実をつけた街路樹がたくさんありました。その印象が残っているのかな?
ルーアン美術館で、じっくりと絵画を鑑賞していたマナちゃん。
書き始めは図形を描き、徐々に様々な色を使って、紙一面に塗っていました。
アキコちゃんは、パレットの色を一つひとつ、紙にのせているようです。
少しだけ色が混ざり合い、「こんな、いろになった!」と不思議そうにつぶやいていました。
この日の作品です。誰がどの絵を描いたか分かりますか?それぞれ個性が出ています!
モンテッソーリ教育のなかでも、今回のような水彩画は自己を表現する【アート】と呼ばれています。
【アート】は、絵の具以外にも、チョーク、クレヨン、粘土、コラージュなど、大人は道具の使い方を紹介するところまでし、あとは子どもの自主性(自由な表現)に任せます。
例えば、2歳の子どもがクレヨンで画用紙に絵を描くとします。子どもが「できた!」と持ってきた絵を見たら、画用紙の隅に線がいくつか描いてある…モンテッソーリ教師は「こっちの白いところにもう少し描いてみたら?」、「何描いたの?」、「上手に描けたね」などと、批評しません。
子どもたちは、大人の称賛を求めて自己表現をするのではなく、『今を生きている』からこそ、今、描きたいもの、作りたいものを自ら表現し、プロセスを楽しんでいるのです。
個性豊かな表現力は、大人には真似できない才能だと思いませんか?子どもたちはみんな、アーティストです!
(平松亜衣)