モンテッソーリ教具を体験!「感覚の洗練日」
ピースボートには【水先案内人】と呼ばれる、各分野の第一線で活躍しているゲストが乗船し、講演やパフォーマンスを行います。
ピースボート子どもの家のアドバイザーとして乗船していただいている深津高子さんも【水先案内人】の1人として、保育の合間に乗客へ向けて子どもから始まる平和について、お話いただきます。
今回は、保育室で子どもたちが日々使っている教具を会場に運び、乗客の皆さんに体験していただく『感覚の洗練日』という企画を行いました!
子どもの家で使用しているモンテッソーリの感覚教具とは、どんなものか?興味を持った方が約140名集まってくださいました。
子どもたちもベンチに座って参加します!
まずは、高子さんより「感覚が洗練されると、どんないいことがあるか?」をお話しいただきます。
□視覚:空や海の色の変化がわかる
□聴覚:アメリカ英語とイギリス英語の違いがわかる
□味覚:食事の隠し味がわかり、より美味しく味わえる
□触覚:ポケットの中でIDカードとインターネットカードを見ないで分けられる
□嗅覚:9階のレストランメニューを別の階から当てられる
船内生活で考えやすい具体的例をあげていただきました!
感覚は生まれてから発達するのではなく、胎児のころから成長が始まる始まっているそう。
講義形式の話を終えると、ピンクタワーと呼ばれる感覚教具の体験をしていただきます!
【ピンクタワー】とは、ピンク色に塗られている10個の木製の立方体です。10個の立体の1辺は1cmから10cmまで1cmずつ変化していて、縦・横・高さの3つが変化する3次元の教具です。この10個の立体を積み上げて塔を作ります。
10名の方に出てきていただき、手を身体の後ろにまわし、その手の上に1つずつ立方体が渡されます。
大きさを見ることなく、手の感覚だけで何番目の立方体か予想します。
「あれー?!」「私がもっているのが次かな〜?」
なかなか自分の持っているものがどの程度の大きさか、実際やってみると難しい様子です。
「私たちは子どもたちに、【失敗はお友だち】と伝えています!」と、高子さん。
出したり引っ込めたりを何度か繰り返し、順番に積み上げることができました!
続いて、用意した10種類の感覚教具を、みなさんに自由に体験していただきます。
使い方については、子どもの家の保育士から紹介します。
重量板(微量な重さの違いを比べる、3種類の木材)に挑戦された方から、「難しい!」という声や…
雑音筒(赤と青が対になる筒の中に米ぬか・砂・小石などが入っている)を体験された方からは、「あれ?さっきと同じかな?違うかな?」と、何度も何度も聞いて確かめる姿がありました。
教具の使い方に加え…
「私たちは、教具を扱うとき、そーっと音を立てずに置くことを、意識して行っています。それを子どもたちが見ることで、【大切に扱う】ということが自然と身につきます。」とお伝えしました。
また子どもの家で、布合わせ(綿・ウール・ネルなど、種類の異なる布が対になって入っている)の活動の経験がある、あんちゃんに布合わせの先生役をお願いすると…
「いいよ!」
小さな先生をやってくれました!
講座の最後には、『サムスペール』体験をしていただきます。
サムスペールとは、スウェーデンのおもちゃで、スウェーデン語で「協力ゲーム」という意味です。
10名の参加者が一言も話さず、指差しもせず、いくつかある目標を協力して釣り上げ、枠へ移動させる、というゲームです。
モンテッソーリ教具ではありませんが、感覚教具を知ったあとに行うのに適しています!
参加してくださった方より「楽しかった!」と、感想をいただき、モンテッソーリ教育に興味を持っていただく、嬉しい機会になりました^^
(川上つかさ)