「感覚の洗練日」
洋上の保育園「ピースボート子どもの家」のアドバイザーで、国際モンテッソーリ協会元理事・深津高子さんによる船内企画。
今日行われたのは、モンテッソーリが使う「教具」を、実際に使ってみようというワークショップです。
モンテッソーリ教育で使われる「感覚教具」と呼ばれるものを、実際に大人が体験してみようという試みです。
子どもたちの視覚や触覚、嗅覚、聴覚といった感覚を刺激するように作られています。
世界の豊かさを感じられるようにと、色やデザインにも様々な工夫が。
こちらは「はめこみ円柱」と呼ばれる木製の教具。
高さや太さの異なる10個の円柱を、視覚を頼りにぴったりの穴に戻し、
繰り返すうちに視覚を洗練させる活動です。
これが、大人でも意外と難しい!
つまみを3本の指でつまんで、円柱を木枠からはずし、バラバラに置いていきます。
円柱の底面の大きさと、木枠の穴の大きさを見比べながら、1個づつ、元の穴にはめ込みますが・・・
間違えて円柱を他の穴に入れてしまうと、どうしても、円柱が残ってしまいます。
このように、(はめこみ円柱に限らず)大人に間違いを訂正されるのではなく、子どもが自分で自分の間違いを発見して、それを直すことができる工夫のある教具がたくさんあるのが、モンテッソーリ教具のいいところです。
子ども自身が、自分で正しい答えにたどりつくまでのプロセスを大事にするばかりか、一人で夢中になって何度でも取り組める「環境」を具現化しているのです。
さて、このはめこみ円柱、大人たちが適当に見当をつけてやってみると間違っていることもしばしば。
何回かトライし、感覚が掴めるようになるとスムーズに出来るようになっていきます。
慣れてきた人には目隠しを渡し、手の感覚だけでやってみてもらいます。
この「だんだん分かってきた」「出来た!」という感覚は大人でも楽しいもの。
感覚の発達過程にあり、だんだんそれが洗練されていくのを日々感じている子どもたちにとっては、なおさらです。
その他の教具も同様に様々な工夫が見られます。
実際に体験することで、改めてモンテッソーリ教育に興味を持った方も多かったよう。
「子どもたち、かわいい~!」というだけではない、自立に向かう子どもを真剣に応援する「ピースボート子どもの家」に、ますますの注目が集まりそうです。
子どもたちを医学的に観察し、試行錯誤を重ねたうえで開発されたモンテッソーリ教具。
このブログでも機会をみつけて少しずつ紹介していきますね。