「鉄製はめ込み」のお仕事

船が最後の寄港地メキシコを出た頃から、子どもの家で流行り始めたお仕事があります。

それは、様々な種類の図形と枠でできている「鉄製はめ込み」。

<メタルインセッツ (鉄製はめ込み)>
イメージ
鉛筆を持って書くことに慣れ、手の動きをしなやかにする他、集中力や芸術的感覚、忍耐力なども養います。

この教具はクルーズ当初から変わらず同じ場所に置いてあるのですが、なぜ今頃になって人気が出てきたのか・・・その理由は、せいかちゃん(5歳)がこの教具の面白さに気づいたから。

ただそれだけです!

色々な図形を重ねてそれを色鉛筆で丁寧に塗ると、とても素敵な絵が出来上がります。
保育士が貼った見本を見て、「これと同じの描きたい!」と、せいかちゃんが始めました。

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「明日も続きする!」と言い、次の日もまた次の日も、毎日新しい図形を描き続けました。
最後に全部をまとめて一冊の本にしたいという目標をもって日々取り組むせいかちゃん。

 

そしてその姿は周りの子どもたちにとっても刺激になり、「ぼくもやりたい。」「せいかちゃんのしてるのやる!」と次々に広まっていったのです。

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キャビンに帰って「今、せいか絵本作ってんねん。明日も続きするねん!」とお母さんにお話していたそうです。
そんな風に「これがしたい!」「あれがしたい!」と目的を持って子どもの家に登園してきてくれるようになったことが、保育士にとっては大きな喜びでした。

 

ただこれがクルーズ後半というのがなんとも悔やまれます・・・もちろん成長の証なのですが、もっとこの船旅が続けばいいのにと思わずにはいられません。
そしてこれはせいかちゃんに限らず、他の子も同じ。

 

自分の好きなお仕事をそれぞれが持っていて、朝登園すると一番に選ぶお仕事がだいたい決まっています。

「保育園行きたくない~!」と泣いていた子どもたちが、自分でやりたいことを見つけて笑顔で登園してくるまでに成長し、本当に嬉しい限りです。

卒園式まで残り少なくなってくると「あとちょっとしかないから、やりたいことぜんぶやらなきゃ!」とせいかちゃん。

 

最後の日までそれぞれが好きなお仕事に黙々と取り組んでいました。
モンテッソーリのお仕事を通して「自分でできた!」という経験を重ねてきた子どもたちは、この3か月半でたくさんの自信をつけたように感じます。

 

乗船当初とは比べものにならない生き生きとした表情とお仕事をしている時の集中力、そして最後まで自分でやるという責任感。
いろいろなことを日々の生活の中で学び、吸収してきたんあだなぁと実感しています。
この経験が帰国後の生活に繋がってくれますように、と願っています。

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