ストックホルムで、街づくりの「未来予想図」発見

6月5日 ストックホルム(スウェーデン)

ストックホルムで、街づくりの「未来予想図」を発見

o0477037511351136518世界最大の家具メーカー、イケア(IKEA)。

銀座で開店と同時に大ブーム、連日の行列を作って話題になったH&M。

 

どちらもいいけど、

スウェーデンが本当にスゴイのは、

デンマークに並ぶ手厚い社会福祉政策と、超先進的な環境政策にあると思う。
話に聞いてはいたけれど、実際に訪ねてみるとなんだかそれはもう、「未来予想図」のようだった。

o0415027611351136527平日日中にベビーカーで颯爽とお散歩するパパたち。パパにも半年間の育児有給休暇があるのがあたりまえ。

 

1990年代、市民・行政・企業が一緒に国のための未来ビジョンを作り、

「スウェーデンは2021年までに主な環境問題をなくす!」と決定した。

 

そのビジョンを達成するために、社会のあらゆるセクターにに16の「環境目標」を課し、

その目標を達成するに環境教育も小学校から義務教育とすることになった。

 

ゴミをリサイクルすればお金が戻る仕組みや、

エコカーに買い替えると街の駐車場が無料になるなど、

社会のいたるところにインセンティブや環境税、環境法整備が整えられている。

o0461034611351136519それから10年以上。

結果は素晴らしい成果をあげている。

 

家庭ゴミのリサイクル率は96%(日本:20%)、ゴミは最終的に約100種類に分別される。

電力の46%は自然エネルギー。

 

二酸化炭素の排出量は1990年からマイナス9%減らすことに成功していて(日本は、8%「増加」中)、

それでも同時にスウェーデンのGDP(経済)は44%成長している。
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街で買える飲み物は、その多くが紙パックや瓶。

瓶は、デポジット制をとっていて、店に戻せば20円くらい戻ってくる。

リサイクルする前に、ひと瓶あたり、平均25回は「再利用」されているんだって。

 

そうするとコストがずいぶん安くなるので、必然的にペットボトルより瓶のほうがよく売れるようになる。

すばらしい。

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スウェーデンの首都ストックホルムの地下鉄は岩盤を掘り抜いて建設された駅が多い。

駅ごとにそれぞれちがう芸術家がアートをほどこしていて、「世界一長い美術館」とも呼ばれるとか。

o0400026711351141078 photo: Mitsutoshi Nakamura /PEACE BOAT

 

街づくりがカッコイイのは地下鉄だけじゃない。

街全体に「人間が中心、車はその次」という基本的な考え方が貫かれている。

ストックホルム市内のどこから歩いても、300メートル以内で森や川、海にぶつかるように設計されている。

 

街の中を流れる川沿いにあるのは歩道で、そのわきに自転車道路。

自転車は20円程度払うデポジット制で、町中いたるところにレンタル自転車の駐輪場がある。

車道は高架になっているか、道路の下をもぐらされることが多い。

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そんなストックホルムで、私たちは「地球を汚さないファストフード」、MAXの事務所を訪問した。

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MAXは、スウェーデンではマクドナルドに並ぶ最大手のハンバーガーショップ。

 

味も値段も普通のハンバーガー屋さんなんだけど、

この企業が一味違うのは、ハンバーガーの原料生産から消費者の手にわたるまで、

「製造過程のすべての段階で排出される二酸化炭素を、そのハンバーガー料金で完全にオフセットする」

という先進的なビジネスを行っているところ。

o0461034611351177093↑ 私のヘタな写真じゃよくわからないけれど、ハンバーガーの値段、中身の具以外に、カロリー表示ではなくて、CO2表示があることに注目!

 

「CO2をオフセットすることで、値段があがって、顧客が離れることを心配しなかったんですか?」

という質問には、

 

「二酸化炭素の排出量を調査するためにも、製造のすべての工程を丁寧に見直したことで、別の場所で

コスト削減できることも同時に発見していきました。結果として、値段は以前とそんなに変わっていないし、

むしろ私たちのこうした取り組みを評価する消費者も多く、業績は伸びています」

という答えが。

 

「日本には進出しないんですか?」 という質問には

 

「日本は、今のところ予定がありません。

ただ、私たちの環境顧問であるナチュラルステップが、モスバーガーにカーボンオフセット事業を

持ちかけています。今頃、検討が進んでいるかもしれません」 とのこと。

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ナビゲーターには「ナチュラルステップ 」の高見幸子さん。枝廣淳子 さんも取材で参加。

o0220014711351142544大橋マキちゃんは、日鞠ちゃんと一緒に参加

 

ストックホルムでは、「街のどこから歩いても、必ず300メートル以内に森や川、海がある」。

これは私にとって、大きな大きな衝撃だった。

 

・・・そうしようと思えば、できるんじゃん!!  っていう。

 

私は、きっと大きな町が嫌いなんじゃないと思う。

東京にも、友達も大勢いて、情報が集まっていて、おいしいお店も、素敵な人もたくさんいる。

それでもどうしても「ずっと住む場所」として愛すことができないのはきっと、自然が排除されていて、

車と排気ガス、それに騒音の収拾がついていないから。
ストックホルムは、悠々とそれをやってのけていた。

街をぐるっと取り囲むようにして、大きな国立公園の森が威厳を誇っている。

お昼は、公園内で素敵なオーガニックランチをいただいた。

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公園の中は、鳥の声でいっぱい。

国立公園内に畑があり、畑のオーガニック肥料をつくるためのコンポストが作られていた。

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o0220016511351144123これ。高さが人の背丈くらいある、巨大なコンポスト。

 

夏だというのにジャケットが必要な寒さだったけれど、

公園内の食堂は、間伐材のチップから作ったペレットを燃料にするストーブで、ポッカポカ。

 

どうぞ、と相席をすすめてくれた地元のお母さんたちは、もうたぶん60代の方々だったけれど、

みなさん英語が上手。

 

「スタディーツアーをしながら、地球一周!?そんな船が日本にはあるの?私も乗りたいわ~」

なんて、話に花が咲く。

 

このお母さん、あとほかに何ヶ国語話せるんだろう。

北欧の人たちには、語学の達人が多い。

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町なかの普通のスーパーに立ち寄ってみても、食品から洗剤まで、ありとあらゆる商品に

あたりまえのようにして何かしらのエコラベルがついていた。

 

全部が全部「完全にオーガニック」というわけでは決してない。

だれど、エコレベルが可視化されているから、値段とのバランスを見ながら、

消費者がアクティブ・コンシューマーになることができる。

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街でみかける車やバスには「bio power」「bio gas buss」の表示も。

 

 

午後は、ストックホルム市内にあるエコビレッジを訪ねた。

 

70年代に40世帯が集まって建てたコーポラティブ・ハウスで、市内にあるのに素敵な森に囲まれていた。

 

敷地内には車で入らない、建物・塗料などはすべて自然素材、高気密・高断熱、

自然エネルギー、生ゴミコンポスト、コンポスト・トイレを標準装備・・・

私たちが今まさにようやく視野に入れ始めた暮らしを、70年代から実践してきた人たちがいる。
どんなヒッピーたちが暮らしているのかとワクワクして訪ねたのだけど、

意外や意外、案内してくれたのは

 

「毎日自転車で30分、ここからストックホルムの中心にある市役所に通っています」

 

と笑う公務員さん、ほか40世帯の、「ふつうの」方々。 これまた、スバラシイ。

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30年間のあいだに、初代から住んでいた人と少しずつ世代交代もあったそう。

はじめた当時よりも今のほうが「ここに住みたい」というニーズも高くて、家の売却にも困ることはないんだって。
今回訪ねたエコビレッジは、一般の人たちが自主的に作ったもので、

こういう場所はストックホルム近郊に何か所かあるらしい。

 

さらに、今回は訪ねることができなかったけれど、

「未来予想図」の締めくくりとして、ひとつ紹介しておきたい政府の事業がある。

▼「ハンマビー・ショースタッド 臨海都市再開発」。
ストックホルムでは17世紀から都市計画がはじまった。

19世紀の好景気で市街が拡大していき、20世紀に入ると周辺都市の建設も盛んになって

放射状に鉄道の線路が延び、主要な駅ごとに街がつくられていったそう。

 

90年代、地方から人々がストックホルム市に押し寄せ、深刻な住宅供給難になった。

そこでかつて工場地帯だったハンマビー・ショースタッド臨海区域が住宅都市として再開発されることになったのだけれど、この「再開発」の内容がすごすぎるのです。

 

6000棟、2万5000人が住む新都市構想で、徹底した循環型の街づくりを進めている。

たとえば、太陽電池を屋上に取りつけたり、風力発電の利用はもちろんのこと、

住宅から出されるゴミが近くの廃棄物発電所に送られてエネルギーとして戻されたり、

生ゴミが下水処理場でバイオガスを回収して住宅に戻されたり、車の燃料に使われたりする。

 

共同の駐車場には、燃料電池を充電するためのタンクも常設されていると聞いて、

私はもう、びっくり仰天してしまいました。

o0465031111351163067子連れパパの写真、もう一枚。本当に、多いです。パパ同士での平日のおでかけ。

 

今、日本で、

環境とか、持続可能な暮らしとか、エネルギー分散型社会とか、トランジション・タウンとか、

そういうことを話している友達はたくさんいる。でも、「その手の話」を夢物語として笑う人もまた、たくさんいる。

 

大丈夫。

今話しているようなことは、全部実現可能なんだ。 本気でやろうと思ったら。

 

スウェーデンで、そう思いました。

北欧諸国が環境や福祉、社会保障の政策に力を入れだしたのは、70年代後半から。

まだたった30年しかたっていないのに、これだけのことが実現している。

 

モモやソラマメくんが今の私の年になるまで、あとちょうど30年。

二人が大きくなる頃には、日本もスウェーデンやデンマークのようになっているかな。

 

それとも、もっともっと、いけるかな。

 

「ひとりで見ていたら、ただの夢。 みんなで見る夢は、現実になる」   by Yoko Ono

 

心にしっかりとモモ・ソラマメ世代のための「未来予想図」を描き、また次の寄港地へ。
北欧のあとは、アイスランド、

そしてそのあとはいよいよ、ニューヨーク。

 

北欧もガツンときたけど、

実は、今回の旅でいちばん強烈に心に残ったのはアイスランドかもしれない。

 

スーパー地熱&水素立国している国策もさることながら、

なにより、土地の持ってるエネルギーが、すごかった。

 

ラパヌイ(イースター島)や、初めて行ったころのバリ、マダガスカル・・・

そういう、「土地と自然からパワーがあふれてる」感じを、久々に腹の底まで吸い込めた気がする。
スウェーデンの次に訪れた アイスランド日誌 も、ぜひ読んでね。

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